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レバレッジのきく商売へ

10日前の記事だが、サイボウズの前社長である高須賀宣氏のインタビューを見つけた。以下にその一部を引用する。

社内ベンチャー制度の事業というのは、いわゆるシステムインテグレーターなんです。受託開発なんです。今の日本のソフトウエア産業の主流ですよね。それをやっていたんですが、単刀直入に言って僕にとってこの事業はおもしろくなかった。将来空洞化を起こして厳しくなるだろうというのと、「人いくら」でレバレッジがきかない商売だって思ったんです。

引用サイト:CNET Japan

“「人いくら」でレバレッジがきかない商売だって思ったんです。”
この言葉にギクッときた。シーブレインの商売に対して言われている気がしたのである。

シーブレインの主要三事業「マニュアル作成」「Webサイト制作」「ローカライゼーション」は、労働力に比例して売上が伸びるいわゆる「労働集約型産業」である。単純に言えば、売上を上げたければ人を増やさなければならない、という構造になっている(「付加価値を高めて売上を増やすこともできるだろう」という指摘はあるだろうが、ここは話を単純化しているのでご了承を)。

マニュアルを書くのも、翻訳するのも、Webサイトをデザインするのも、システムをプログラミングするのも、機械に任せることはできない(一部の単純な作業はマクロなどで処理できるものもあるが)。ひたすら人間が時間をかけてコツコツとやっている。一日中コンピュータを使って作業しているので、ものすごく生産的な仕事のような気もするが、実態は労働時間に比例したかなり泥臭い仕事なのである。

ただ断っておくが、シーブレインの仕事が時間さえかければ誰でもできる仕事だとは誤解しないでいただきたい。相当の時間をかけて知識と技術を習得した者でないと、できない仕事なのである。そういう意味では「労働集約型産業」の中でも「知識集約型産業」と言われる類だと自負している。まあ、人的労働力に依存しているという事実は変わらないのだが。

しかし今後の課題は、これを構造的な宿命とあきらめてはいけない、ということだ。売上を上げる=仕事を増やす=社員を増やす、ではあまりにも工夫がない。またそれは現実的でもない。前述したように、仕事ができるようになるためには相当の時間がかかる。人を増やしたからといって、受けられる仕事がすぐに増えるわけではない。それ以前に、求人倍率が上がった最近はそもそも採用自体が難しいという現実もある。このままではシーブレインの成長は頭打ちである。

さて、ここまではサービスを提供するシーブレイン側から見た課題である。翻って顧客の立場から考えてみる。マニュアルを作ってほしい、翻訳してほしい、Webサイトを作ってほしい。。。 それなりにシーブレインの実力を評価していただいて、シーブレインに頼みたいというお客様がいたとする。しかし、そのときにシーブレインに仕事を受けられる余裕がない、または金額が合わない、ということがままある。ニーズとシーズは合っているのに、お客様の期待に応えられない。

どうすればこうした問題を解決できるのか。それには、シーブレインが提供するサービスをもっと柔軟な形に変えることである。サービス=労働力ではない形にすることである。そうすることによって、シーブレインは労働力というタガから解放されて成長でき、お客様はシーブレインのサービスをタイムリーにそしてリーズナブルに受けることができる。

その実現方法を具体的に考えて「レバレッジのきく商売」に変えていくことが、私自身の当面の大きな課題だと思っている。



「レバレッジ効果」とは元々金融の世界で「少額の投資資金で大きなリターンが期待できること」だそうな。

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