株式会社シーブレイン > 馬車道の社長日記 > コーチング(2/3)

コーチング(2/3)

※この記事は「コーチング・バイブル(第3版)」から引用していることを最初にお断りいたします。


前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、今回は「コーアクティブ・コーチング」の概要についてご紹介します。

「コーアクティブ・コーチング」のモデルは以下の「コーアクティブ・モデル」に表されます。

20141003.png

背景の四角にあるのはコーアクティブ・コーチングにおける「4つの礎」です。

  • 人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である
  • その人すべてに焦点を当てる
  • 今この瞬間から創る
  • 本質的な変化を呼び起こす

中央の星はクライアントの人生を表し、そこには「3つの指針」があります。

  • フルフィルメント(より充実した人生を送るか否か)
  • バランス(よりバランスのとれた人生に向かうか否か)
  • プロセス(人生というプロセスをより深く味わうか否か)

星を取り囲む内側の円「意図的な協働関係」とは、クライアントとコーチの双方が積極的に最適な関係を築こうとしなければよい結果を得ることはできないことを示します。

そして、星の5つの先端には、コーチが効果的にクライアントと関わるために必要な「5つの資質」が示されています。

  • 傾聴
  • 直感
  • 好奇心
  • 行動と学習
  • 自己管理

以下にそれぞれの要素についてもう少し詳しく説明します。

4つの礎

コーアクティブ・コーチングと他のコーチングを差別化する根源ということでしょう。

人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である

人は「できる」存在だと信じる。相手の創造力や才知を信じることによって、コーチはクライアントの可能性に心を開き、いっしょにその可能性を探求しようとする。

コーチの役割はクライアントに自らの内なる光を思い出させ、再びそれを見つけることを助けるだけなのです。なぜなら、光はクライアントの中にもともとあるからです。

その人すべてに焦点を当てる

クライアントが抱える個々の問題よりもその人自身の方がずっと大きな存在。その人全体あるいはその人の人生全体をとらえ、様々なレベルで耳を傾ける。

重要なのは意識する範囲を広げることです。なぜなら、どんなテーマもそれ単独で存在しているわけではないからです。
   :
ある特定のテーマに絞って、コーチがクライアントに関わることは一向に構いませんが、コーアクティブな対話では、その人全体あるいはその人の人生全体を含む、より広い範囲を意識してクライアントに関わるのです。

今この瞬間から創る

クライアントとの対話において「見えやすいもの」(言葉、立場、考えなど)よりも、雰囲気やニュアンスなど言葉にならなかったことの方に多くの情報が含まれる場合がある。いろいろなレベルで一心に聴き、事前の台本にしばられず臨機応変に対応する。

「今この瞬間から創る」というのは、たった今起こっていることにしっかりと意識を集中して、もともとの計画にしたがうのではなく、今という瞬間に湧き起こってくる刺激に反応することです。

本質的な変化を呼び起こす

クライアントにとっては特定のテーマかもしれないが、コーチはクライアントの人生全体においてさらに価値ある何かの表れだと見る。そして、今日の目標を人生の可能性に結びつけられれば本質的な変化をもたらすことができる。

「ああ、よかった」という満足感は「これだ!」という、なにか大切なもの―新しい力や強さ―を掴んだ実感に変わります。それはまるで、あることに気づいていなかった、もしくはあることを忘れてしまっていた筋肉の存在にきづくようなものです。
 この「これだ!」という実感―およびそれに伴う気づき―は、クライアントがその可能性を最大限に発揮するための力をまた1つ新たに身につけたということであり、それはこの1回の体験だけのものでなく、他の機会でも自然と活かされるはずです。

3つの指針

クライアントの人生に火を起こす上で欠かせないもの、それが「フルフィルメント」「バランス」「プロセス」とのこと。

フルフィルメント

「フルフィルメント」とは「充実感」。出世、収入、洒落た生活スタイルなどではなく、自分の心や精神を満たすことがフルフィルメント(充実感)。自分が本当に大事だと思っていること、価値を置いていることで満たされた人生こそ充実感にあふれた人生である。

もっとも深いレベルのフルフィルメントとは、自らの人生に目的を見出し、その目的を日々実感しながら生きる時に感じられるものであり、自分がこの世で与えられた生をまっとうしていると感じる時に得られるものなのです。

バランス

今日のように変化のスピードが速い世の中では、バランスのとれた人生を生きることは見果てぬ夢のよう。人生のある領域ではずば抜けた成果を上げているのに、他の領域では散々な状態になっていることがある。しかし、それは1つのもの見方にとらわれているから。視点を広げ、選択し得る可能性を増やすことによりバランスのとれた状態に近づいていく。

・・・人生にバランスをもたらすための鍵はクライアントが自分にもっとも力を与える選択をすることにあるからです。それは、とりもなおさず、何かに対して「YES」と言い、何かに対して「NO」と言うことでもあります。これは決して簡単なことではありません。クライアントは得てして、何かに対して「NO」と言うことなく、「YES」だけを言いたがりますが、そのようなことを続けていると、クライアントは気持ち的に圧倒されて、結局は人生のバランスを失うことになってしまうのです。

プロセス

人生は刻一刻と変化し常に動いてる1つのプロセス。順分満帆の時もあれば、嵐のように不安定な時もある。コーチの役割は、クライアントがどのようなプロセスにあっても、何が起きているかをクライアントに伝え、そのプロセスの中にともにいること。

クライアントがたとえ岩場や浅瀬に突き当たろうとも、つねにそばで支え励まし、その難局をうまく切り抜ければ共に祝う、そいういう旅仲間のような存在がコーチなのです。このように、コーチがプロセスに焦点を当ててコーチングすることで、クライアントは自らの人生に起こるすべての出来事に意味を見出し、より人生を深く味わいながら生きることが可能になるでしょう。


コーチング・バイブル(第3版)」を読み返しながらここまで「コーアクティブ・コーチング」について紹介してきましたが、書きながら厄介なことを始めたと後悔しています。もう少し咀嚼して説明できるかと思ったのですが、読み返すほどに自分自身しっくり来なくなり、ほとんどそのまま引用する形になっています。

うまく伝えられているか自信がありませんが、次回この続きの「5つの資質」について説明して、最後に私なりの感想を述べたいと思います。

(次回に続く)

Webサイト制作、IT翻訳、マニュアル制作なら
株式会社シーブレイン(横浜)にご相談ください。