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JTF「スタイルガイド」セミナー

今日は当社の社員がJTF(日本翻訳連盟)主催のセミナー「スタイルガイドセミナー」で講師を務めさせていただきました。準備に気を取られて、事前にWebサイトやFacebookなどでアナウンスするのを忘れてしまったのが残念です。

スタイルガイドとは翻訳する際に参照する表記に関するルールブックです。では、「表記」とは何を指すかと言うと、以下のようなものです。

・ 文体(常体/敬体)
・ 句読点
・ 送りがな
・ カタカナ
・ 長音 など

これだけだとわかりにくいと思うので、興味のある方はJTFが作成した「JTF 日本語標準スタイルガイド(翻訳用)」(PDF)というのをご覧になってみてください。

なんでこんな細かいルールが必要なの? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かにこんなルールがなくても日本語の文章は書けます。それはたぶん他の人が読んでも理解することができるでしょう。しかし、それは不器用な人が日曜大工で「とりあえず形になってりゃいいだろう」と板の長さも切り方もつなぎ方もデタラメに作った犬小屋みたいなものです。ぱっと見は犬小屋に見えるかもしれませんが、近くで見たら眉をひそめてしまうでしょう(例が悪かったかな)。

文章も同じで、同じ表現を漢字で書いたりひらがなで書いたり、語尾を「です・ます」で書いたり「である」で書いたり、単位を記号で書いたり文字で書いたり、などといったいい加減さが読む人には気になるのです。テクニカルドキュメント(技術文書)を作る世界で30年近く過ごしてきた私なんかは職業病みたいなもので、何を読んでもそういう単純な表記の不統一がものすごく気になって赤ペンを取り出したくなります。テクニカルライターやテクニカルトランスレーターという仕事では基本中の基本、大工で言うならノコギリの使い方や釘の打ち方みたいなものです(たぶん)。

今日のセミナーではスタイルガイドの重要性、作り方、運用上のコツなど、日頃の実務で積み重ねてきた経験を元にお話させていただきました。2時間のセミナーでしたが、実はこのために5ヶ月ほど前から準備していました。翻訳事業部の社員にとっては社外のこのようなセミナーに登壇するのは初めてのことだったので、盛り込む内容、資料の見せ方、話し方など試行錯誤の連続でした。ギリギリまでかかって何とか間に合わせることができましたが、ご出席いただいた方々のお役に少しでも立てたなら幸いです。

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