プログラマにだって必要な、「残業ゼロの仕事力」

プログラマにだって必要な、「残業ゼロの仕事力」

書店にいっぱい並んでいる、残業をしない仕事術の本。 基本的に残業できない働き方をしているため(毎日保育園等へのお迎えがあるから)、こういった本を手に取ることがなかったのですが、この本を読んでみたところ「残業できないからこそ読む価値があるかも」と思えました。
そして、本書はホワイトカラー職についてかかれた内容ではありますが、「プログラマのような技術者なら残業あるのは仕方のないことだ」と思うのも、ちょっと甘えた考えなのかもしれない、と思わずにはいられませんでした。

ということで、プログラマの視点で読んだ「残業ゼロの仕事力」の読書メモです。

なぜプログラマは残業が多いのか

なぜ日本の企業にはいまだにこんなにも残業が多いのでしょうか。
それは、働く人が「残業は会社にとっていいことだ」と思い込んでいるからに他なりません。

かつていた会社では「恒常的に遅くまで仕事しているプロジェクトがいいプロジェクトだ」という認識があり、入社後半年もすると「いかに自分のプロジェクトチームが激務か」を自慢するような状況がありました。忙しさを優越感に変えないとやっていられない、そんな不健全な状態が今もいろいろな開発現場にはあるような気がします。

業務時間内に仕事が終わらなかったら、それは仕事の絶対量が多すぎるのか、作業の仕方に無駄があるのか、それとも社員のモチベーションが下がっているのか、とにかく原因が必ずどこかにあるはずです。

仕事量の見積は、けっこうざっくりやってしまうと、思わぬ落とし穴があって当初の仕事量の倍必要だったりすることがあります。
また、これから作りたい機能の事例やサンプルなどをネットで検索していると、芋ずる式に他の情報を見ちゃって無駄な時間を費やしちゃったり、ということも往々にしてあります。

仕事をしていれば、毎日のように大小さまざまな問題が発生します。(中略)問題というのはあって然るべきものなのです。
問題というのは、単独で存在するように見えても、その実体は複数の小さな問題の集合なのです。(中略)また、精神的な意味でも、問題は時間とともに肥大化するといえます。

対処しなくてはいけない問題について、漠然と大きなテーマで考えているうちは、必要な機能や方法が浮かんでもやはり全体がぼやけていて、プログラミングする手が思うように動かない、なんてことがあります。
思いついたことを書き出して、具体的に掘り下げていくと、だんだん頭がクリアになって、快調にキーがたたける!という経験はプログラマなら誰しもあるのではないでしょうか。

残業ゼロのプログラマになるために

大きすぎてどこから手をつけたらいいかわからない問題に遭遇したら、まずは絡んでいる鎖をほどくところから始めてください。

物事を細分化する、という作業はプログラマにとって日々あたりまえにやっていること。これをきっちりやっていく、という精度を高める作業がより無駄を省くのに必要なのかもしれません。

仕事には必ずデッドラインをつけ、さらにそれを会議の席上で発表して、守らざるをえない状況を社内に作り、その上で残業を禁止するのです。
「せっぱ詰まらないとなかなかやる気が出ない」というのは多くの人が持つ自然な感情です。だからデッドラインつきの仕事を次々と与えて、常にせっぱ詰まった状態を作ってあげる、そうすればスピードは嫌でも上がっていきます。

夏休みの宿題を最終日に泣きながらやった経験のある人は、大人になってもその状況を自ら作らないとやっぱりだめなんですね。もちろん私も該当者です。

デッドラインを決める際、気をつけなければならないのは、相手の顔色を見て、「これくらいならできるだろう」という配慮をしないことです。 あくまで「会社にとって正しいことを優先する」、これがデッドラインの決め方の極意です。
会社は「なかよしクラブ」ではないのです。

自分には厳しくできても、他人にはなかなかこれができない、という人は多いのでは。特に後輩などに仕事を振るときには手加減をしちゃいますよね。でももしかしたら、その手加減でその後輩をダメにしちゃうこともあるのかもしれませんね。上手に尻を叩けるようになりたいものです。

会社というのは三角形の組織が集まってできています。まずは自分の下にある三角をよりよく変えていけばいいのです。

この本で最も心に響いた文がこれ。まずは自分に厳しくして、これをやる。効率がどーんと上がれば残業できなくてももっと仕事がこなせる!劣等感を払拭できる!と思えて。(私のように独身時代に身についた残業至上主義の感覚で苦しむワーキングマザーは多いと思います。)

自己実現とか、人生そのものとか、夢とか、仕事に余計な意味を持たせると、それがときとして、仕事の足枷にもなりかねないのです。

「好きを仕事に」って言葉、大キライなんですが、プログラマには好きが高じて就いている人、けっこう多いと思います。
だからどんどん新しいことに手を出したりとか時間をいとわずできるのだと思いますが、でも、すべてをひっくるめて長い時間会社にいる、というのではなく、業務を就業時間で集中して行い、その後、モードを変えて興味のある新技術を実験する、とかメリハリをつけたほうがいいですよね。
で、たまには早く帰る。
人と過ごす時間はとても大事だし、仕事の疲れが解消します。

シーブレインと残業

残業があるかどうかは、仕事の内容ではなく組織の風土による

ちなみに、シーブレイン社内全体の状況はというと「けっこう残業ゼロ」、かもしれません。 裁量労働制ですし、クリエイティビティが必要とされる仕事が多いので、もちろん、それぞれが抱えているプロジェクトで佳境にさしかかると遅くまで仕事していますが、きっちり時間管理されている方が多いかな、というのが個人的な印象です。女性社員が多いからかもしれません。会社と結婚しちゃっているようなおじさんは皆無ですし。
ただ、わがバシャログ。執筆陣が所属するWEBグループは、けっこうまだまだ改善の余地があります。これは男性が多いから?・・・って性差論にはもっていきたくないので、これから皆で残業を減らしていきしょうね。

活気がないのが「いいオフィス」

そうそう、オフィスの活気のなさは自慢できますよ。就業時間中の静けさといったら!!けっこう優等生な会社なのかしら?自画自賛しすぎ?

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