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立体的なマニュアル

飛び出す絵本のマニュアル版ではありません。

マニュアル作成を商売にしている人間が言うのもなんですが、そもそもマニュアルなんて誰も読みたがらないものです。私自身、ソフトにしても家電にしてもとりあえず使ってみて、どうしてもわからないときに初めてマニュアルを参照します。当たり前のことですが、そのモノを使うことが目的であって、そのモノを知ることが目的ではないからです。

その前提で考えたときにマニュアルに求められるのは、早く目的の情報にたどり着くことです。早く使いたいのに、その使い方を調べるのに時間がかかっては、ストレスがたまってしようがありません。したがって、マニュアル制作者は常に「いかにして早く目的の情報に誘導するか」に苦心しています。言い換えると、「検索性の向上」です。

検索性はマニュアルごとに工夫する必要があります。誰が使うか、どこで使うか、いつ使うか、何で作るか、さらにボリュームの多少など、そのマニュアルの要件によって用意すべき検索性も違ってくるからです。

もっとも基本的なもの、というより最低限なければならないのは「目次」です。そのほかに、「索引」「ツメ」「ヘッダー/フッター」などが紙のマニュアルとしてはポピュラーです。HTML などで作成する場合は、ハイパーテキストのメリットを活かした検索方法がありますし、サーバや PC の機能を利用して「全文検索」も可能です。いずれにしても、検索方法が多いほどそのマニュアルの使い勝手は向上します。

「立体的なマニュアル」とは、理想的な検索方法を備えたマニュアルに対する私のイメージです。目次だけで一方向の検索しかできないのは「巻物的なマニュアル」、目次と索引など二方向から検索できるのが「冊子としてのマニュアル」。ならば立体的なマニュアルとは、透明な箱の中に情報が整理されて置かれているがごとく、前からも後ろからも、右からも左からも、さらに上からも覗き込んで、自分の求める情報を探し出せるような魔法のマニュアルです。

どうすれば「立体的なマニュアル」を実現できるのか、まだ私には答えが見つかっていません。と言うより、これが正解と言い切れる答えはないと思います。前述したとおりマニュアルごとの要件によっても異なり、さらに技術的な進歩によっても変わっていくでしょう。しかしこれは、マニュアル制作者にとって求め続けるに値する、非常に魅力的なテーマだと私は思います。


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