2005年6月23日
ブログの可能性
今日は新宿にあるお客様と社内イントラでのブログ活用について打合せをしてきました。
ブログは、個人がプロバイダーのサービスを利用して情報発信する段階から、企業が社外/社内への情報発信または情報共有のために利用する段階へと進んできました。企業向けに必要機能をパッケージ化してブログシステムを提供している会社もあります。
今まで企業内での情報発信/情報共有と言えば、グループウェアがありました。弊社もグループウェアには関心があり、8 年前にロータスノーツを導入したのを皮切りに現在まで 3 つのグループウェアを使っています。それぞれメリット/デメリットがあるのですが、共通しているのは(あくまで私見です)柔軟性がないように感じます。ある意味やむを得ないことですが、機能が追加されるほど使い方は硬直化されるようです。
その点ブログは、機能がシンプルな分使いやすいというのが私の現時点のイメージです。書き込む、読む、コメントを付ける、リンク(トラックバック)で結ぶ、という機能は、必要最小限ながら十分なのです。あと RSSリーダを利用すれば、強力なコミュニケーションツールになります。
ただ、グループウェアにしてもブログにしても、活用できるかどうかは運用次第です。具体的には利用者全員の目的意識の一致と最低限の運用ルールです。一部の人だけ利用しても効果はありません。また、何でもかんでも書き込んでいくと、本当に重要な情報が埋もれてしまい、結果的に利用されなくなります。これは長年の経験で痛感しています。
社内での情報活用(ナレッジマネジメント)で私自身がポイントと思っているのは、「知識は人に帰属する」ということです。情報を分類して蓄積しようとすると、分類する時点で個々人の認識の違いが出て、カテゴリーだけが増える結果になってしまいます。それより、我々が何かを知りたいときに日常的にやっているのは、この件についてはあの人が詳しい、という探し方ではないでしょうか。人を軸にして情報を検索するのが、最も現実行動に近くて確実な方法です。そう考えると、ブログの可能性が見えてきます。社員一人ひとりがブログサイトを持ち自分の得意分野について書き込んでおくと、あとはコメントやトラックバックで有機的に広まっていくように期待するのですが、甘いですか。