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会社の求心力とは

シーブレインの事業は、マニュアル作成、Webサイト制作、ローカライゼーションの 3 つです。
シーブレインのサイトを見ていただくと、きれいに 3 つに分かれているように見えます。しかし、元々はごちゃごちゃだったんです。

10 年前に勤めていた会社を辞めて、それからちょうど 1 ヵ月後にこの会社を作りました。会社を辞めるときというのはそれなりにテンションが上がっているので、そのまんまの勢いで会社まで作っちゃった、というのが実態です。計画は元よりビジョンも見通しもなーんもありませんでした。今にして思うと、我ながらあきれます。

当然仕事はありません。それまで付き合いがあった会社などにはひととおり挨拶回りしましたが、できたばっかりの会社にそうそう仕事を出してはくれません。手持ちの資金は固定費だけで 5 ヵ月でなくなる計算です。仕事はない、資金は減っていくばかりという状況は精神的にきついです。

3 ヵ月目くらいにやっと仕事らしい仕事が入りました。それからは必死です。いわゆる自転車操業ですから、継続して仕事をもらうために、頼まれれば何でもやりました。やったことがないことでも引き受けて、試行錯誤しながら何とかやり遂げる。どうしても自分たちでできないことは、あらん限りのつてを頼って、できる人を見つけ出してやってもらいました。DTP、マニュアル執筆、データ入力、インストラクタ、翻訳、HTML編集、プログラミング。。。 その積み重ねで、何とか会社として認めてもらい、継続的に仕事が入るようになったわけです。

今、マニュアル作成、Webサイト制作、ローカライゼーションがシーブレインの 3 事業です、なんて言うともっともらしいですが、それは結果でしかありません。今までいろいろやってきたことを整理して、わかりやすく括ったらこの 3 つになっただけです。根本にあるのは、「自分たちのできることでお客様の役に立ちたい」というプリミティブな自己満足なのです。今は見栄張って「コンサルティング・マインド」などど言っていますが。

会社を成長させなければならない。それは「社長」にとっては強迫観念的にある命題です。放っておいても潰れなければいいですが、そうはいきません。成長することによってしか会社は存続しない。現状維持などありえない。だから、組織を変えてみたり、新しい制度を作ってみたりするわけです。しかし、そうすることで、会社本来のエッセンスを社員が見失う恐れがあります。手段のはずが目的になっていたり。その怖さを今痛感しています。

過去があり現在があり未来がある。現在だけを見ると、なぜそうなのか、なぜそれをやっているのかがわかりません。過去の原点と未来のビジョンを線でつなぎ、その線上に現在があるという継続性が重要なのだと思います。それを具体的に描き社員に説明できる経営者こそが、目先の変化に惑わされない求心力のある会社を作れるのでしょう。私はまだまだ経営者になりきれていません。


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