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誤発注

みずほ証券の株誤発注問題がマスメディアをにぎわしています。

ジェイコム株を現金決済、みずほ証の損失は405億円程度

[東京 12日 ロイター] みずほ証券によるジェイコム<2462.T>の誤発注問題で、有価証券の決済・清算機構である日本証券クリアリング機構は12日会見し、存在しないジェイコム株の売買が成立し決済しなければ事態について現金決済(強制解け合い)を行うと発表した。決済価格は1株91万2000円でジェイコムの8日終値(72万2000円)比18%高い水準となる。みずほ証券の損失額は405億円程度となる見通し。

引用サイト:ロイター

405 億円の損失ですと。一人の担当者がコンピュータの画面で誤操作しただけで、405 億円の損失が発生するなんて、悪夢としか言いようがありません。

当初の報道によると、その担当者は警告メッセージが表示されているにもかかわらず、そのまま作業を継続しまったとのことでした。理由は、それまでも警告メッセージが表示されたことは度々あったが深刻な問題ではなかった、というようなことだったと思います。つまり、システムが「おおかみ少年」状態になっていたわけです。大変だ、大変だ、といつも言い過ぎたばかりに、肝心なときに信用されなかったということですね。

シーブレインも Web アプリケーションの開発をやっているので、警告を出したがる開発者の心情というのはよくわかります。しかし、本当によいシステムというのは、必要最小限の警告しか出さない(=ユーザーに余計な負担を与えない)ように、ユーザーの動作や心理を深く読んで作り込まれたインタフェースを備えているものだと思うわけです。

今、オンライン取引というのは日常的になってきました。会社では事務用品を注文するにはアスクルを使い、社員の給与や外部へ支払いをするときには銀行のオンライン口座を使います。個人的にも、amazon で本を買ったり、Yahoo! オークションで落札したりと、様々な取引が目の前のパソコンの画面だけでできるようになっています。

十分なお金をかけて開発し、その後も継続的に改善を行っているシステムはインタフェースもかなりこなれて、ユーザが入力する負担をできるだけ軽減する工夫が図られています。しかし、それはまだまだ一部のメジャーなサイトで、大半のサイトでは名前、住所、電話番号、生年月日、どこで知ったか、何に興味があるか、などなど、延々と入力させられます。やっと入力し終わって「確認」ボタンを押したら、エラー画面が表示され「郵便番号: 半角で入力してください」って…。こういうことが何度も発生するとイライラするわけですよ、温厚な私でも。「出来が悪いくせに文句ばかり言いやがって!」と心の中で罵ったりするわけです。

でしゃばらずに、それでいて深い心配りの利いたインタフェースは、開発者にとって永遠のテーマです。


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