2007年1月19日
マックのフタからインタフェースデザインを考える
マックのホットコーヒー(Mサイズ)のフタ。
前から気になっていたのだが、この飲み口の大きさは何とかならないものか。飲み口の中に上唇を入れると、熱いコーヒーが直接唇に当たって飲みにくい。上唇が当たらないように口を開いて飲むと、思った以上に熱いコーヒーが口の中に流れ込んできて怖い。これを作った人は実際に熱いコーヒーを入れて自分で飲んでみたのか。
このように、作り手が実際に使ってみないでデザインしたんじゃないか、と思われる製品が結構多い。最近買い換えた私の携帯電話もそうだ。1ヶ月前に出たばかりのauのW44Sだが、これはカメラが持ち手と重なりやすい位置にある。カメラモードにすると、画面の端に自分の指が表示されることがたびたびあるのだ。私の手が特別デカイわけでも、人と変わった持ち方をしているわけでもないと思う。
しかし、同じようなミスを自分たちもやってしまうことがある。Webアプリケーションを開発しているとき、デザイナはとにかく使い勝手よくすることを念頭にインタフェースを考える。それでも、実際に使ってみると、思わぬところで使いにくかったりする。
ユーザーは様々で、デザイナが想定しない使い方をすることはままある。最初から完璧なインタフェースデザインを作ることは難しい。重要なのは、そういった問題を少しでも減らすためにどれだけテストを重ねるかだろう。
さらに、と改まるほど特別なことではないが、テストは作った人以外の人がやらなければ有効でない。作った人は当然デザインの意図をわかっているから、どうしても自分の想定内の使い方しかしない。他の人、特にその製品の製作意図などまったく知らない人にテストしてもらうのが大切だと思う。
あまりにも陳腐で当たり前の話なのだが、現実にはそれができていない事例が絶えない。
しかし、冒頭のマックのフタはそれ以前の問題だと思う。1回でも熱いコーヒーを入れて飲んでみればわかるだろうに。
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