2008年7月28日
祝! 慶応高校甲子園出場
昨日行われた高校野球北神奈川大会の決勝で、慶応高校が東海大相模を延長13回の末に破って甲子園出場を決めた。春の選抜に続く連続出場だが、夏は46年ぶりだという。おめでとうございます!
地元の高校ということもあったがそれ以上に、他の強豪と違い最初から優秀な選手を集めたチームではないこと、そして文武両道を実現していること、その点で注目し期待していた。
下馬評どおりベスト4までは順当に勝ち上がったが、準決勝と決勝の相手は屈指の強豪校だった。準決勝は春の神奈川大会でコールド負けしている桐光学園、そして決勝はその春の神奈川大会を制した東海大相模。
しかし、慶応は春より着実に成長していることを見せてくれた。特に決勝は、延長13回という体力、技術、気力のすべてを問われる死闘だったのを、みごとに勝ち残ったのだ。すばらしい。
この強さの源泉が何なのか興味があったので調べてみたら、そのヒントを慶応高校野球部の部訓に見つけた。全部で20条という結構な量の部訓なのだが、これがなかなかいい。私自身が特に気に入った一部を引用しよう。
(慶応高校野球部 部訓より一部抜粋)
- 自分一人で生きていると思うな。自分一人で野球をやっていると思うな。周りの者に感謝の気持ちを持て。感謝の気持ちは「ありがとう」。世の中にそれほど以心伝心はない。言葉は使ってはじめて活きる。
- 個と全。グランド出たら個人の技術、精神力を高めるための最大の努力をせよ。そして同時にチーム全体の流れ、ムードを考えてプレーせよ。1人1人がキャプテンだと思っているチームのみが勝つ。「自分がやって50、人をやらせて50。」
- 凡人は習慣で1日を送る。天才はその日1日が生涯である。毎日が本番。大会前だけ盛り上がって全国制覇ができるか。泥棒に練習試合はない。
- 今の自分を許すな。自分のプログラミングが出来ない人間が負ける。
- 自分がどんなに頑張ってもダメという相手でも、絶対に負けるのを嫌え。勝ち負けの勝負にはとことんこだわれ。負けても淡々としている奴は勝てない。早すぎるんだよ切り替えが。30対0で負けていても逆転すれば世間はそれを奇跡というんだ。自分で自分の逃げ道を作るんじゃねえ。(コツコツと真面目だけじゃ我慢できない。とことん勝負師)
- 男は危機に立って初めて真価が問われるものだ。チームもここぞで点をやらなきゃいいんだろ。最後は勝てばいいんだろ。
- エンドレス(いつまででもやってやろうじゃないか)
慶応というスマートなイメージがある学校にしては結構泥臭い文言もあるが、全体的には企業にも通ずる組織論を感じた。そこに説かれているのは次のようなことだ。
- 組織の一員であるという自覚と責任を持つ
- 相手に確実に意思を伝えるコミュニケーションを大切にする
- 高い目標設定と、最後まであきらめない強い意志を持つ
- 人の言葉に惑わされず、常に自分で考えて行動する
- 楽しんでやろう
私がこういう会社にしたいと思っていることが、ここには書いてある。一つの目標に向かって進む組織に必要なものは、企業でも学校でも変わらないということだろう。
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