2008年10月 2日
鮮度を維持する、ブログを使ったマニュアル
マニュアルにしてもWebサイトにしても、完成した後のメンテナンスが重要だ。
半年くらいかけて業務マニュアルを作成する。関連部署の方が忙しい合間を縫って何回も集まり、議論と精査を重ねて作り上げたマニュアルだ。あるべき業務の姿が書かれた完璧なものだろう。
しかし、半年1年と経っていくと実態と乖離していく。なぜなら、現場は日々成長していくからだ。担当者は常に「もっといいやり方はないか」と考えて、試行錯誤を繰り返しながら自分の担当する業務を改善していく。(もちろん、上長とかに相談・報告しながら、会社の承認を得ることは大前提だ。)
「マニュアルどおりではないからやり方を変えてはダメ」では本末転倒である。逆に、マニュアルが常に実態を反映したものになるような仕組みが必要なのだ。今日訪問したある大学ではそれがうまく機能していた。
こちらの大学には、昨年9月にMovable Typeというブログシステムを使ったオンラインマニュアルを納品した。最初のマニュアルの執筆、HTMLのレイアウトデザイン、そしてブログサーバの立ち上げまでは弊社で行った。しかし、納品した後はお客様自身が更新されている。
1年経った今、お客様の評価は上々だ。
それまではPDFマニュアルを閲覧できるようにされていた。しかし、元データを更新してPDFに変換し、サーバにアップロードし直す、という作業は面倒だった。またPDFは、HTMLに比べると画面で閲覧するには読みにくく、利用者の評判も芳しくなかった。
それがブログシステムなら、内容を更新してサーバにアップロードするということが簡単にできる。お客様の負担が非常に軽減されたのだ。HTMLのデザインも好評だ。
オンラインマニュアルを導入できる環境が整っているか、そもそもオンラインに向いているマニュアルなのか、という条件はあるので、どこにでも推奨できるわけではない。しかし、「最新の情報を反映している」というマニュアルにとって最大の要件を満たしやすいという点で、ブログを利用したオンラインマニュアルは検討される価値が大いにあるソリューションだと思う。
もっとも、前述のお客様が成功した最大の要因は、「お客様自身がマニュアルの重要性を認識されている」という点にある。いったん完成したからといって満足してはダメなのだ。そこからが始まりであるということを肝に銘じなければならない。
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