2011年4月12日
東日本大震災から1ヵ月を経て
東日本大震災からちょうど1ヵ月が経過しました。
1週間ほど前は収束に向かうかと思われた余震も、5日前(4/7)そして昨日今日と再び大きな揺れが起きています。震源地に近い東北では二重三重の被害を受けるところもあり、被災者の皆様の不安と心労は極限に達していらっしゃることでしょう。
また、原発の問題も未だ解決の目処が立っていません。昨日新たに「計画避難」という言い方で避難地域が拡大されました。放射能の汚染はどこまで拡がっているのか、これからどこまで拡がるのか。農産物、漁獲物への影響、さらに人が住める場所は将来的にどうなるのか。
暑くなると電力不足の問題が深刻になってきます。政府は大企業など大口需要家で25%、スーパーなど小口需要家で20%、一般家庭で15~20%ずつ削減することを打ち出しました。これが企業の生産力と消費者の需要、ひいては日本の景気にどれほどのインパクトを与えるのか、先行きは非常に不透明です。
このように、一つだけでも重大なダメージを与える困難が同時に2つ、3つと重なっています。我々日本人はこれを乗り越えていけるのか。世界中が注目している中で日本の力が問われています。
まずやらなければならないのは、あらゆる手段を使って原発の危機を抑え込むことです。それと並行して被災地の復興も一日も早く急がなければなりません。政府、国会、および各自治体は当面そのことに全力を注ぐべきでしょう。その成果を示せるのが早ければ早いほど、日本の力は世界から再評価され輸出など経済面にも好影響を及ぼすはずです。
そうして当面の危機を克服しながら考えなければならないのが、今後の対応策です。また同じ規模の震災が来たときにどうするのか。ましてやそれが首都圏を直撃したとしたら? 早急に対応策の検討・実行が必要です。
何よりも急がなければならないのは、首都圏に一極集中している政治、経済の核を分散させることでしょう。今のまま首都圏が大震災に見舞われたら、日本は政治も経済も機能不全に陥り国として致命的な打撃を受けます。この機会に国の機関も企業も、日本中の複数の拠点に機能を分散すべきです。
また、この危機を乗り越えるために試されるのは国民1人1人の自主的な行動力、いわゆる「民度」だと思います。国や自治体が主導するオフィシャルな力ではなく、個々人が主体となって結集するソーシャルな力です。
またそれは、成熟した少子高齢化社会の可能性も問われることになります。物余り社会でギラギラするような熱情を失い、権力にはしらけて、団結して行動することに冷めた国民が、この危機的状況でどのような行動を取って何を実現するのか。活力を失い衰退していくだけなのか、それとも熱意を取り戻し変革を起こすのか。国民1人1人の自覚と行動なくして、絶対に立ち直ることはできません。
考えなければならないこと、やらなければならないことはたくさんあります。ただ、今日本中の人たちが思いを一つにしなければならないことは、震災で亡くなられたたくさんの方々の犠牲を決して無駄にしてはいけないということです。悲劇を悲劇のままで終わらせてはいけません。生きている我々はこの痛みを痛恨の教訓として今後に活かし、我々自身はもちろんのこと次世代以降の人たちのために最大限の努力をしなければなりません…
などと、震災から1ヵ月経ったのを機に自分の頭を整理するために思いついたことを書いてみました。これは自分自身に対する戒めであり、今後行動するための指針だと思っています。