2011年8月26日
Steve Jobs、CEO退任
今日は朝から晩までこの件に関するニュースや記事が次々に出てましたね。
やはり復活は無理だったのでしょうか。6月の「Worldwide Developer Conference」で登壇したJobsを見ましたが、痛々しいほど痩せてましたからね。
会長職としては残るみたいですが、現実的な影響力は不透明です。遅かれ早かれAppleの製品自体にも確実に変化は出てくるでしょう。
私もApple製品が好きで、またSteve Jobsのことがずっと気になっていました。それはファンとしての興味であり、経営者としての関心でもあります。彼に関連する本もけっこう読んでいます。
20歳そこそこからコンピュータ業界を走り続けていろいろな意味で注目を浴び続けたSteve Jobsです。強烈な個性に好悪の評価も分かれます。私自身は彼の人間性とかマネジメント手法などの評価はできませんが、一つだけはっきりと評価できることがあります。それは製品の美しさに対するこだわりです。Appleの製品に一貫して表れています。
そのこだわりの原点は「徹底的にシンプルに」ということだと思います。
ハードウェアにしてもソフトウェアにしても、Appleの製品は余計なものを排除することにこだわっていることを強く感じます。
MacBookの外観。1枚板をくり抜いて接合部やねじ穴を極力排除しています。余計な凹凸や装飾などは全くありません。思わず撫でまわしたくなります。
iPodのインターフェース。表面にあるのは丸いスクロールホイールだけです。これだけですべての操作ができます。こんなインターフェースはAppleだったから、Steve Jobsがいたから実現できたのでしょう。他社には絶対できません。
そしてJobsのプレゼン。スクリーンに映し出されるのは最小限のキーワード。あとは写真や単純な図だけです。それだけで聴衆は彼の話に引きずり込まれて熱狂するのです。もちろん、彼の天才的な話し方があってのことですが。
「徹底的にシンプルに」というのは、どんなシーンにも通用するのではないでしょうか。我々も何かを考えるときに、足していくのではなく余分なものを大胆にどんどん削っていく。そうしていくと、本当に大切な本質だけが残るような気がします。実際にこれを行うのは簡単ではないのですが。
Jobsがいなくなった後のAppleの動向は非常に気になります。特にスマートフォンやタブレット端末はまさにこれから急速に成長する分野なので、勢力図が大きく変わることも考えられます。目が離せません。
最後に、できることならまたSteve Jobsがプレゼンする姿を見たいと切に思っています。