2012年9月24日
2位じゃダメなんです
9月28日から本格稼働するスーパーコンピューター「京」の民間での活用計画が続々と進んでいるようです。
新薬開発にスパコン「京」活用 絞り込み期間、3年半→半年
神戸市で28日から本格稼働するスーパーコンピューター「京」を活用し、大日本住友製薬が、新薬候補の絞り込みを通常の3年半から半年程度に短縮する計画であることが23日、分かった。低迷する日本の新薬開発だが、「京」の活用で活性化し、海外勢に対して優位に立つことができる。医薬品開発は、研究開始から発売まで10~20年弱かかる。健康な人や患者に投与して効果を調べる治験(臨床試験)には一定の期間が必要で、有望な新薬候補を絞り込む段階の期間短縮が早期の新薬投入のカギを握る。
従来は、病気に関連するタンパク質と化合物を反応させる実験を手作業で繰り返し、新薬候補を選んでいたが、この絞り込み作業を京が担う。
大日本住友製薬はすでに、社内のコンピューターを使ったバーチャル(仮想現実)実験で、新薬候補の絞り込み期間短縮を図ってきた。しかし、薬効を正確に評価するには、1日に1タンパク質に対して1化合物を解析するのが限界だった。
これに対し、京は1秒間に1兆の1万倍の1京回の計算ができ、1日に100化合物以上の解析ができるようになるという。
(引用元:msn産経ニュース)
再生医療にスパコン「京」…臓器作製を迅速化
世界最高レベルの計算能力を持ち、28日から本格稼働するスーパーコンピューター「京(けい)」(神戸市)活用の目玉として、様々な種類の細胞に変化できるES細胞(胚性幹細胞)やiPS細胞(新型万能細胞)から臓器を作り出す研究を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターなどが計画していることがわかった。最適な臓器作製の方法を見つけ出すのに、数か月~数年かかっていたものが、京ならわずか数時間でできる。日本発の技術であるiPS細胞などによる再生医療の早期実現を図りたい考えだ。
計画するのは、人のES細胞から眼球のもとになる「眼杯」を世界で初めて育てた同センターの笹井芳樹・グループディレクターら。眼杯を培養するには約半年かかるが、その手法を確立するまで約3年の試行錯誤を繰り返した。
(引用元:YOMIURI ONLINE)
競争力とはスピードです。先に結果を出して形にした方が絶対的なアドバンテージを得られます。京は確実に日本の産業の競争力向上に貢献しようとしています。
国のバランスシートが著しく悪化している中で無駄な支出を抑えるのは当然、というより必須です。しかし、すべての支出を同じように抑えればいいわけではありません。会社経営でよく言われる「選択と集中」という考え方は国レベルでもなければなりません。
日本が国際競争力を維持するために何に集中すべきか、日本の強みは何か、という観点から判断したときにスーパーコンピューターは絶対投資すべき対象です。先に紹介した医療分野以外にも気象、宇宙など人類にとって今後重要でありかつ産業としても期待できる分野でスーパーコンピューターは不可欠です。国会議員の定数を200くらい減らしてでも予算をつぎ込まなければならないものだと私は思います。
2位でも3位でもいいものはあります。しかし、1位であることが将来にわたって重要なものがあるのです。それを見極めるのがリーダーの役割ではないでしょうか。