2015年9月 7日
責任のとり方
私の母校の中央大学。あまり目立ちませんがスポーツにも力を入れています。
野球はプロ野球選手も輩出しており、現役では阿部慎之助(読売)、亀井義行(読売)、澤村拓一(読売)、島袋洋奨(ソフトバンク)、美馬学(楽天)などがいます。水泳も以前はけっこう強く、シドニー五輪でメダルを獲得した田中雅美、中村真衣、源純夏がいました。しかし何よりも中央大学の名前を最も知らしめたのは箱根駅伝です。出場回数、連続出場回数、シード出場回数で最多、優勝回数も14回で最多です。文字どおり箱根駅伝では強豪でした。
それがここ10年ほどはなかなか上位に入れず、2013年にはなんと途中棄権して28年連続保持していたシード権を失います。どん底に落ちた思いでした。それが今年2015年の箱根では9区が終わった時点で8位、残すは最終区間だけ。ほぼシード権獲得はまちがいないだろうと思っていたところ、最終走者が故障していてあれよあれよと順位を落とし19位。2013年の悪夢の再現のようでした。
今日「Number Web」に中央大学駅伝監督のインタビューが掲載されました。
"箱根の「定位置」を失った中央大学。輝かしい記憶と"負の記憶"の間で。"
今年の箱根駅伝最終区間で起きたアクシデントについて語られています。その中で印象的だった一節です。
「昨今の箱根駅伝は、学生の部活動の枠を越えてしまいました。明らかに結果を求められる世界になっていますが、指導者の立場からすれば、学生を4年間預かって、成長させ、競技でも一定の成果をあげて、達成感を味わってから卒業させてあげたい。箱根駅伝は19位という結果でしたが、チームとしては十分に練 習をやりきった思いはあったはずです。ただ結果でしか評価されない世界だとしたら、何も残らないかもしれない」
プロではなく学生を指導することのむずかしさとジレンマが込められています。プロであれば結果がすべてです。勝てば賞賛され負ければ罵倒される。勝つことによって自分の収入も増えるわけですから、それは割り切るしかないでしょう。しかし、学生のスポーツは本来勝負がすべてではなく教育の一貫であったはずです。学生時代のスポーツがその後の社会人としての生活に何かしら活きるものでなければありません。スポーツは勝ち負けがはっきりする世界ですからどうしても結果で優劣を判断しがちですが、学生スポーツにおいて大切なのは勝負の後にあるとこの記事を読んで認識を改めました。
さて、ではプロの世界はどうか。わがベイスターズ。前半戦を首位で折り返し、最悪でもCS出場はまちがいないだろうとほとんどの人が思っていたでしょう。7月にはオーナーも早々に来期の中畑監督続投を要請します。だったのに、後半戦に入ってからすっかり勢いがなくなり、ズルズルとついに最下位まで落ちました(今日時点で5位)。前半戦首位から最下位に落ちたのは史上初だそうです。この状況を中畑監督はどう思っているのか。いったんは続投を要請されても結果を問われるのがプロです。それは中畑監督も常々口にしています。最低でも前年より順位を上げないと中畑監督は辞退するのではないかと思っています。4位まで3ゲーム差。諦めないという姿勢をチーム全体で見せてもらいたいです。